YouTubeを利用してインタラクティブ動画を作成する方法

コラム
インタラクティブ動画は、動画マーケティングにおいて最先端手法として注目されています。
従来の動画に様々なインタラクティブ要素を加えることで、視聴者にアクションを起こしてもらい、視聴途中での離脱を防ぐことが期待できます。
作成ツールはさまざまですが、身近な動画プラットフォームであるYouTubeでも、インタラクティブ動画を作ることができるのです。
本記事では、YouTubeでインタラクティブ動画を作成する方法と、YouTubeでインタラクティブ動画を作成するメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
YouTubeを活用してインタラクティブ動画を作成しようと検討されている方にとっては、非常に参考になる内容と思います。是非とも最後までご覧ください。

インタラクティブ動画とは

インタラクティブ
まずは、インタラクティブ動画がどういうものなのか、従来の動画と何が異なるのか、しっかり確認しておきましょう。
一言で言えば、インタラクティブ動画とは、「相互作用的な」「双方向でコミュニケーションをとることのできる」動画です。
 
従来の動画広告では、ランディングページにおいて動画が再生されても、ユーザーはただ見ているだけ(受動的)の状態となっていました。
動画で調べ物をしたり、流し見をしたりと、ながら見が当たり前の若年層はシークバー(再生バー)をスライドするのも当たり前でした。
 
一方でインタラクティブ動画では、動画内にタップボタンやクリックボタンを設置し、ユーザーへアクションを促すことができます。
 
さらに、動画内のタップによって動画のストーリーが分岐する機能もあります。動画を見るだけではなく、動画を体験し、動画に参加し、動画とコミュニケーションをとってもらうことで、動画からの離脱を防ぐことが可能なのです。
このように、相互的にユーザーと対話できる動画のことを、”インタラクティブ動画”といいます。
動画内にさまざまな仕掛けを入れ込むことで、発信側と視聴者とのコミュニケーションを高めることができるのです。
さらに、動画視聴中に動画内から直接販売サイトへ移行することができたり、その場で資料をダウンロードすることも可能ですので、コンバージョンの向上にもつながります。

YouTubeで活用できるインタラクティブ機能をご紹介

YouTubeで活用できるインタラクティブ機能をご紹介

動画といえば、YouTubeを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
インタラクティブ動画について理解できたところで、YouTubeで活用できるインタラクティブ機能をご紹介いたします。
 
総務省の実施した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書によると、YouTubeの全年代の利用率は85.4%と、非常に高いです。
娯楽の域を越えて、学習や情報収集、企業のマーケティング活動にも使われています。
自身のYouTubeチャンネルのデータ分析と管理をすることができる「YouTube Studio」を活用すれば、初心者でも簡単にインタラクティブ動画を作成することができます。
 
YouTube Studioで作れるインタラクティブ動画の機能はこちらの2つです。
  • カード機能
  • 終了画面機能
この2つの機能によって、動画上に他動画を表示しYouTubeの視聴者にインタラクティブな体験を提供することができます。
以下、これらの2つの機能について詳しく解説していきます。

カード機能

YouTubeのカード機能とは、リンクやテキストなどをカードのように挿入できる機能のことです。

カードは視聴者の動画再生時に表示されます。カードには、動画、再生リスト、チャンネル、URL をリンク先を掲載できます。
 
タップされると、設定したカードが画面右側で開かれ、動画上で視聴者に対してアクションを喚起することができます。

設定可能なカードは下記の4種類で、一つの動画に最大5つまでカードを設置することができます。

  • 動画カード……YouTube の公開動画へのリンクを作成できます。
  • 再生リストカード……YouTubeの公開再生リストへのリンクを作成できます。
  • チャンネルカード……YouTubeチャンネルへのリンクを作成できます。
  • リンクカード……外部ウェブサイトにリンクできます。
 

※YouTubeカードを利用する場合、リンクされた外部ウェブサイトが YouTube のポリシー(コミュニティ ガイドラインと利用規約を含む)に準拠しているか確認が必要です。 違反がある場合、カードまたはリンクの削除、違反警告、Google アカウントの停止などの処置がとられる可能性があります。サービス開始当初は関連webサイトのリンク作成は誰でも利用できましたが、現在ではYouTubeパートナープログラムに参加しているクリエイターのチャンネルでしかリンクを設置することができません。

※YouTubeパートナープログラムとは? YouTube動画に広告を付けるには、YouTubeパートナープログラムへの参加申請をして受理されなければなりません。パートナープログラムへ参加するには以下の条件を満たすことが必要です。(2021年12月現在時点での条件です) 1、すべての YouTube のチャンネル収益化ポリシーを遵守している。 2、YouTube パートナー プログラムを利用可能な国や地域に居住している。 3、チャンネルに有効なコミュニティ ガイドラインの違反警告がない。 4、有効な公開動画の総再生時間が直近の 12 か月間で 4,000 時間以上 5、チャンネル登録者数が 1,000 人以上 6、リンクされている AdSense アカウントを保有

動画にカード機能を追加する手順

YouTube動画にカード機能を追加する手順は、以下の通りです。

  • YouTube Studio にログインし、 [コンテンツ] を選択します。
  • 編集する動画をクリックします。
  • [カード] ボックスをクリックし、追加するカードの種類を選択します。
  • 特定の動画、再生リスト、チャンネル、リンクを選択します。
  • 動画の下のタイムラインでカードの表示開始時間を調整します。
  • オプションで、動画に関するメッセージとティーザー テキストを追加します。
  • [保存] をクリックします。
 
カード出現時、一緒にテキストを表示させることができます。テキストの種類は以下の3種類です。
  • ティーザーテキスト……カードが出た時に表示されるテキストで30文字まで入力可能です。
  • カスタムメッセージ……カードを実際にクリックした時の動画サムネイルの下に表示されるテキストです。
  • カードのタイトル……実際のカードの画面を見たときに表示されるテキストがカードのタイトルとなっており、50文字まで入力することができるようになっています。

カード機能を利用する際のポイント

カード機能を利用する際のポイントは、「カードを入れるタイミングを工夫する」ということです。 動画の視聴完了率は2.0~3.0%と言われています。特に、どんどんと気になる動画が視界に入るYouTubeにおいては、再生してすぐ離脱されることはよくあります。 そんな中、インタラクティブ動画は従来の動画の視聴完了率の倍以上の効果をあげることができますから、適切なタイミングでカードを出せば、視聴者の離脱を防ぐことができるでしょう。 また、YouTubeアナリティクスで視聴者維持率を確認できるので、どこで離脱されてしまうのか確認し、離脱後に自分の他動画へ飛べるようにするなどもいいかもしれません。

終了画面機能

YouTubeの終了画面機能を用いると、動画終了の20秒~5秒前に、動画上にボタンを表示することができます。

設置可能なアクションは下記の4種類で、一つの動画に最大4つまで設定可能です。
 
終了画面のパフォーマンスは、YouTube アナリティクスの [エンゲージメント] タブで確認することができます。
  • 他の動画または、再生リストへの誘導
  • 他のチャンネルへの誘導
  • チャンネル登録ボタンの設置
  • 外部リンクの設置

※YouTubeの終了画面機能を利用するには、リンクされた外部ウェブサイトが YouTubeのポリシー(コミュニティガイドラインと利用規約を含む)に準拠しているか確認が必要です。 違反がある場合、カードまたはリンクの削除、違反警告、Google アカウントの停止などの処置がとられる可能性があります。サービス開始当初は関連webサイトのリンク作成は誰でも利用できましたが、現在ではYouTubeパートナープログラムに参加しているクリエイターのチャンネルでしかリンクを設置することができません。

終了画面機能を追加する手順

YouTube動画に終了画面機能を追加する手順はこちらです。

  • YouTube Studio にログインします。
  • 左側のメニューから [コンテンツ] を選択します。
  • 編集する動画をクリックします。
  • [終了画面] ボックスをクリックし、追加する要素を選択します。
  • [保存] をクリックします。
 
要素とは、終了画面に追加するコンテンツのことを言います。 終了画面の要素は、いろいろな方法でカスタマイズできます。
テンプレートを適用したり、要素のタイミングを変更したり、動画で要素が表示される位置を決めたりできます。
終了画面要素が複数ある場合、デフォルトではすべて同時に表示されます。それぞれの要素をカスタマイズして、異なるタイミングで表示することができます。

終了画面機能を利用する際のポイント

YouTubeの終了画面機能を利用する際に意識しておくべきポイントはこちらです。

  • 動画との関連性がある要素を表示し、視聴者の離脱を防ぎましょう。
  • 視聴者に終了画面のいろいろな要素をクリックしてもらえるよう、促すように工夫したりアイディアを出しましょう。
  • 動画の最後に終了画面を表示するためのスペースと時間を設けるようにしましょう。
  • 子ども向けとして設定された動画では終了画面を利用できません。

子供向け設定とは……YouTube Studio ではチャンネルの視聴者設定という項目があり、対象となる視聴者の選択で、[はい、子ども向けです] または [いいえ、子ども向けではありません] を選択 する必要があります。 終了画面が表示されない視聴環境があります(iPad 向けを除くモバイルウェブ/YouTube Music アプリ/YouTube Kids アプリ/Flash 動画/360° 動画)

YouTubeのインタラクティブ動画で期待される効果

YouTubeのインタラクティブ動画で期待される効果

YouTubeでインタラクティブ動画を作成すると、どんな効果が狙えるでしょうか? もしも効果が出ていなければ、機能の使い方などに改善点があると考えられます。
こちらの項目では、インタラクティブ動画として上手く機能しているときはどのような効果が見られるのか?について解説していきます。

視聴回数を増やす

動画上からワンタップで動画視聴を可能にすることで、動画視聴回数の向上を見込むことができます。

WEBサイトへの誘導

外部リンクをつけるには条件がありますが、別途見てほしいブログや販売ページなどがあれば、視聴者を誘導することが可能です。

販売サイトへの誘導などを意図している際は、どれほどコンバージョンが獲得できているのか、数値化しましょう。

登録者数を増やす

チャンネルへのリンクや、効果的なインタラクティブ要素によって、より視聴者の関心を高めることが期待されます。

YouTubeでインタラクティブ動画を作成するメリット

では、YouTubeでインタラクティブ動画を作成するメリットにはどのようなものがあるでしょうか?見ていきましょう。

無料でコストがかからない

YouTubeのインタラクティブ機能は、無料で利用することができます。

インタラクティブ動画の作成ツールは有料のものが多いので、まずやってみる、という際にはハードルがとても低いです。

サーバーの負荷がかからない

YouTubeのインタラクティブ機能を利用すれば、サーバーの負荷がかからないというのは大きなメリットです。

 
せっかく公開してもサーバーダウンのトラブルが起きてしまうと、視聴しようとしてれていたユーザーを逃がしてしまいます。
多くの視聴者が想定される際、YouTubeでならば安心して公開することができるでしょう。

YouTubeでインタラクティブ動画を作成するデメリット

では、YouTubeでインタラクティブ動画を作成するデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?見ていきましょう。

インタラクションの自由度が低い

YouTubeのインタラクティブ機能としては、カード機能と終了画面機能のみに絞られてしまいます。

自前でインタラクティブ動画を作成すれば、もっと様々な要素を動画に付け加えることができますから、自由度が低いというのは大きなデメリットでしょう。
インタラクティブ動画でやりたいことを明確にして、YouTubeで実現できるのかを確認しましょう。

YouTube内でユーザーが回遊してしまう

YouTube自体は広告収益で成り立っているプラットフォームなので、来訪ユーザーが他のチャンネルの動画を回遊しやすい仕組みとなってしまいます。

自前のプラットフォームでインタラクティブ動画を作成することができれば、ユーザーを囲い込むことができます。
 
ユーザーが他の動画に目移りしてしまう可能性があるというのは、YouTubeを活用するデメリットと言えるでしょう。
視聴者の興味が移り変わりやすい環境であることに注意しましょう。

まとめ

YouTubeでインタラクティブ動画を作成したい場合、ストーリー分岐機能、ポップアップで商品詳細を表示するなどの上級要素を加えることはできませんが、関連コンテンツやリンクなどを表示したいタイミングで表示させるという仕掛けによって、視聴者を誘導することが可能です。

本格的なインタラクティブ動画を作る前の練習としてや、YouTube上での収益化を目指しているなどの目的があるならば適しているといえます。
インタラクティブ動画作成ソフトはいろいろありますので、自身の作りたい動画に必要な要素を確認したうえ、適切な環境を選ぶことをおすすめします!
 

【この記事の監修者】

川内 一志 

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タクビス株式会社 代表取締役

タクビスは、「ユーザー目線に立ったプロモーションを動画で実現する。」をモットーに、ユーザーが求める情報にたどり着きやすく、クライアント様の思いがユーザーに届きやすい動画の制作を目指します。

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