【基本から事例までご紹介】インタラクティブ動画の作り方

コラム
インタラクティブ動画は、従来の動画広告よりも効果的とされており、海外ではすでに多くの企業が導入しています。
最近は日本においても注目されていますが、その理由は高いコンバージョンを獲得できる実績があるからです。
インタラクティブ動画を作成するために必要なツールは何か?など、多くの疑問が湧いてくることと思います。
そこで本記事では、インタラクティブ動画について具体的事例を元にわかりやすく解説するとともに、効果的なインタラクティブ動画を作成するための必要な手順についてご紹介いたします。
 
「動画マーケティングのために、インタラクティブ動画を活用してみたい…!」という方にとっては非常に参考になる内容ですので、是非とも最後までご覧ください。 
手順をご紹介する前に、インタラクティブ動画がどういうものなのか、従来の動画と何が異なるのか、しっかり確認しておきましょう。
 
一言で言えば、インタラクティブ動画とは「相互作用的な」「双方向でコミュニケーションをとることのできる」動画です。
 
従来の動画広告では、ランディングページにおいて動画が再生されても、ユーザーはただ見ているだけ(受動的)の状態となっていました。
動画で調べ物をしたり、流し見をしたりと、ながら見が当たり前の若年層はシークバー(再生バー)をスライドするのも当たり前でした。
 
一方で、インタラクティブ動画では、動画内にタップボタンやクリックボタンを設置し、ユーザーへアクションを促すことができます。
さらに、動画内のタップによって動画のストーリーが分岐する機能もあります。動画を見るだけではなく、動画を体験し、動画に参加し、動画とコミュニケーションをとってもらうことで、動画からの離脱を防ぐことが可能なのです。
 
このように、相互的にユーザーと対話できる動画のことを、”インタラクティブ動画”といいます。 インタラクティブ動画を活用することによって期待される効果は、次の通りです。

Webサイトへの遷移をシームレスにすることができる

動画内にタップボタンやクリックボタンを設置することができるので、動画からWebサイトへの遷移をシームレスに行うことが可能になりました。
 
Webサイトへの遷移率を上昇させ、離脱率を低下させることができます。
すなわち、ユーザーの購買意欲を高めた状態のまま、購入ページに誘導できるということです。
 
ユーザーの購買意欲を高めつつ、商品動画から購入ページまでの誘導をシームレスに行うことができるのは、数ある動画広告の中でもインタラクティブ動画だけといっても過言ではありません。

コンバージョンにつながりやすい

従来、動画の視聴完了率は2.0~3.0%あればいいと言われています。

基本的には、動画広告を最後まで見てもらうことは難しいのですが、インタラクティブ動画では一般的な動画の倍以上の視聴完了率を出すケースが多くあります。
なぜなら、紹介したい商材や企業についてユーザー自身にアクションを起こさせることで、ユーザーの集中力を持続させることができるからです。
 
ユーザーの理解度が深まることにより、コンバージョンの向上が期待できるのです。

ブランドロイヤリティを向上できる

インタラクティブ動画では、タップやクリックによってストーリーが分岐していきます。

 
企画力こそ試されますが、オリジナリティあふれた仕掛けをすることで、より綿密にブランドの世界観を表現することができます。
さらに、操作性があるということによって、ブランドをユーザーの記憶にしっかりと残すことができるでしょう。

解析データを運用できる

従来の動画では、再生率や平均視聴時間が主な指標となっていました。

 
一方でインタラクティブ動画では、どの場所で何回動画がタッチされたのかなどの分析指標を複数置くことができます。
動画のPDCAサイクルを円滑にし、改善を継続することができます。

提供情報を最適化できる

動画内に選択肢を設けることで、必要な情報に絞ってユーザーを誘導させることができます。

 
必要のない情報を受動的に視聴することは苦痛ですから、ユーザーのストレスが軽減します。
例えば、採用活動においてインタラクティブ動画を使用することで、企業と求職者のアンマッチを防ぐことにもつながるでしょう。

インタラクティブ動画の作成手順

インタラクティブ動画の作成手順

次に、具体的なインタラクティブ動画の作成手順を解説していきます。

全体の流れ

まずは全体の流れを解説します。

インタラクティブ動画の作り方としては、下記の流れに沿って作成するといいでしょう。
 
全体像を把握したうえで、各手順のポイントを意識し、より効果的なインタラクティブ動画を目指しましょう。
  1. 目的を設定する
  2. ターゲットを設定する
  3. 構成を考える
  4. 台本を作成す
  5. 動画を撮影する
  6. 編集する
  7. テスト
  8. 運用
 
ひとつひとつ、手順のポイントを説明していきます。

作成手順① 目的を設定する

インタラクティブ動画を作成して何がしたいのかを明確にしておかないと、動画を作ること自体が目的になってしまったり、コンセプトがぶれてしまうことがあります。

 
従来の動画と異なり、動画内に仕掛けを組み込むわけですから、「どのような目的で」「どのような仕掛けが必要なのか」をしっかり考えることが必要です。
目的の具体例としては、 自社に合った人材を採用したい、この商品をユーザーに購入してほしい、自社ブランドを上げたい などが挙げられます。
 
動画を作成する目的によって、作成する動画内容や、動画内の仕掛け自体も異なってきます。
ゴールとなる目的を明確にすることで、目的達成のために伝えたいことが動画でしっかりと表現できているのかを確かめることができるのです。

作成手順② ターゲットの設定

目的設定をするとともに、ターゲットの設定も忘れないようにしましょう。

コンバージョンを獲得するには、ターゲットと親和性の高い仕掛けを作成する必要があります。
 
具体的には、
  • 今回作成するインタラクティブ動画は、誰に見てほしいのか?
  • 商品を紹介する目的ならば、誰に買ってほしいのか?
  • 採用目的ならば、どんな人に応募してもらいたいのか?
など、「どんな人に動画を見てもらいたいのか?」というターゲットを必ず事前に設定しておきましょう。
 
ターゲットの年齢、性別、価値観、ライフスタイル等々をあらかじめ設定しておくことにより、どんな動画を作ればいいのかが絞り込まれていきます。

作成手順③ 構成を考える

「目的」「ターゲット」が定まったら、それではシナリオを書いてみましょう…という前に、まずはシナリオの大筋を考えておくことをおすすめします。

だらだらと続く内容では、視聴者が億劫に感じてしまいます。
可能性に際限がないインタラクティブ動画だからこそ、シナリオの大筋を事前に立てておかないとぶれてしまいます。
 
インタラクティブ機能について理解したうえで事前に大筋のストーリーを作っておけば、より効果的なインタラクティブ動画を作ることができるでしょう。
 
また、分岐するストーリーの場合は、前後のつながりに違和感がないかなどのチェックも必要です。

作成手順④ 台本を作成する

手順③で作成した構成を台本に落とし込みます。

台本はテキストだけではなく、絵コンテや遷移図も作成しましょう。 インタラクティブ動画は3次元的ですから、ナレーションだけではなく、同時にポップアップの出現箇所なども考えることになります。
視聴者から見た動画の視覚性を意識しながら絵コンテを作成しましょう。
 
スイッチング機能やストーリー分岐をも付け加える場合は、遷移図を可視化することによって、複数の動画がばらつくことなく一つのインタラクティブ動画を作成することができます。
また、オリジナリティを追求できるのはインタラクティブ動画の利点ですが、マーケティング視点で作成できているかどうかも意識するとよいでしょう。
こちらにおいても、最初に設定した「目的」を忘れないことが大切です。

作成手順⑤ 動画を撮影する

シナリオと台本が完成したら、いよいよ動画撮影に入っていきましょう。

 
インタラクティブ動画では複数の動画を使用することにもなるので、編集時に「あれ、動画素材が足りない!」なんてことがないように気を付けましょう。
 
もちろん、動画素材はグラフィックでも大丈夫です。事例紹介の項目でも詳しくご紹介しますが、グラフィックを活用してインタラクティブ動画を作成されている企業様もいらっしゃいます。
 
また、後々に編集するインタラクティブ要素も忘れないようにしましょう。
例えば、動く対象物にタグ付けするインタラクティブ機能があります(モデルの着用服をタップすると、ECサイトに遷移することができる、など)。
その際にはユーザーがタップしやすいような映像が求められます。

作成手順⑥ 編集する

インタラクティブ動画の編集では、ナレーション/音楽/テロップ/画像などの編集に加えて、インタラクティブ要素の編集が必要になります。

使用ソフトなどでも機能が変わってきますが、動画の成果を大きく左右する作業になるでしょう。
 
例えば、タップボタンがわかりづらくないかなど、ユーザー目線の意識を忘れないことが大切です。

作業手順⑦テスト

動画内のボタンをタップした際に、正しいページに飛ぶことができるか、予定箇所にポップアップが出てくるかなど、納品前に必ずテストが必要です。

意図した通りに動画が視聴できるかを確認し、配信後にトラブルとなることを防ぎましょう。
また、仕掛けを設置しすぎて押し売り感がないか、操作性に配慮が欠けていないかなども、必ずチェックしておきましょう。

作業手順⑧運用

インタラクティブ動画は納品してからがスタートです。

 
各種分析機能を利用して、
・動画の効果がどれくらいでているのか?
・どこで離脱が起きているのか?
など、分析をしたうえで継続的に改善を重ねることができます。
 
突然「バズる」なんてこともよくある動画マーケティングですが、ユーザーにゆだねるのではなく、運営側がコントロールする意識をもつことが大切です。
動画のPDCAサイクルをまわし、次のアクションへつなげていきましょう。

インタラクティブ動画の事例紹介

最後に、インタラクティブ動画の具体的事例をご紹介します。
すでに出回っている国内外のインタラクティブ動画のお手本を見ることで、完成イメージを高めていくことができます。
 
リンクも貼っておきますので、リアルなインタラクティブ動画を是非とも体験してみてください。

インタラクティブ動画の事例紹介①サービス絞り込みのための診断コンテンツ

スラッシュトップ様インタラクティブ動画

1つ目にご紹介するのが、スプラッシュトップ株式会社様の事例です。
スプラッシュトップ株式会社様はiPhone、iPadなどのデバイスからWindows、Macにリモコン感覚で遠隔アクセスして操作できるリモートデスクトップサービスを提供しています。
しかし、提供サービスにはいくつかの種類があるため、ユーザーはサービスを購入する前に、どのサービスが自分に適しているかを考えないといけません。
 
そこで、インタラクティブ動画の登場です。
動画内でストーリー分岐機能とポップアップ機能が仕掛けられているので、ユーザーはいくつかの選択をタップして視聴を進めることになります。
インタラクティブ動画のリンクはこちらになりますので、以下リンクをクリックして、是非ともインタラクティブ動画を体験してみてください!

インタラクティブ動画の事例紹介②クイズ形式の教育ビデオ

2つ目にご紹介するのが、アメリカ合衆国の格安航空会社ジェットブルーの教育ビデオです。
従業員の退職金制度についての理解を深めることを目的とされている、クイズ形式のインタラクティブ動画になります。
アメリカ合衆国の格安航空会社ジェットブルーの教育ビデオ
こちらも、以下リンクより動画を視聴することができますので、是非ともチェックしてみてください。

インタラクティブ動画の事例紹介③ECサイトへの導線

3つ目にご紹介するのは、MANGOの事例です。
MANGOは婦人服、紳士服、子供服、アクセサリーを設計、製造、販売するスペインの企業です。
こちらのインタラクティブ動画では、まずは製品を身に着けた人物の日常が流れます。
この動画を視聴することにより、ユーザーは実際の生活において製品を身に着けた自分をイメージしやすくなります。
 
動画内でタグをクリックし、すぐに商品を購入することができるというわけです。
MANGOインタラクティブ動画1MANGOインタラクティブ動画2
こちらも以下リンクより実際に動画を視聴できますので、是非ともチェックしてみてください。

インタラクティブ動画の事例紹介④ドキュメンタリー調の広告

最後にご紹介するのが、イギリスの高級車メーカーJAGUARの提供する、英国デザイナーについてのドキュメンタリー動画です。

車の紹介が前面に出されるわけではなく、さりげなく演出されます。
動画内に出現するポイントをクリックして、登場人物について詳しく知ることもできます。
ドキュメンタリー調の広告1ドキュメンタリー調の広告2
こちらも以下リンクより実際に動画を視聴できますので、是非ともチェックしてみてください。
 

まとめ

2020年の動画広告市場は前年比114%で2,954億円ですが、2024年には6,396億円に達すると予想されています。

新型コロナウイルス禍で巣ごもり需要が増加し、動画コンテンツをより身近に感じている人も増えていると思われます。
 
短時間で多くの情報を取得できる動画から進化したインタラクティブ動画には、これからも可能性が大いに期待されます。
インタラクティブ動画の作成ソフトには無料提供のものもありますので、ぜひ挑戦してみてください。
 
タクビス株式会社では、インタラクティブ動画の制作(企画〜配信後の分析・改善まで)を行っております。
インタラクティブ動画を検討されている方や、もっと詳しく聞きたいという方はお気軽にお問い合わせください。
 

【この記事の監修者】

川内 一志 

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タクビス株式会社 代表取締役

タクビスは、「ユーザー目線に立ったプロモーションを動画で実現する。」をモットーに、ユーザーが求める情報にたどり着きやすく、クライアント様の思いがユーザーに届きやすい動画の制作を目指します。

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